

シンボルツリーを鉢植えで育ててみたいけれど、デメリットはあるのかな?
気軽に植えられる鉢植えのシンボルツリーは、最終樹高と水やりの問題をクリアできるのかがポイント!デメリットを解消しておしゃれなシンボルツリーを育てる方法を紹介するよ。

憧れのシンボルツリーを鉢植えで育てたいけれど、デメリットも気になりますよね。この記事では、鉢植えでシンボルツリーを育てる際の注意点や、避けるべき落とし穴について解説します。メリットだけでなく、デメリットを理解して、後悔のない庭づくりをはじめましょう。
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この記事を書いている人

この記事を書いている私は、庭づくりのデザイン設計〜工事までをおこなう外構会社で働いていました。シンボルツリーを提案させていただくことも多く、玄関前や主庭、ウッドデッキ前などさまざまなシーンに植える庭木を見てきた経験があります。
シンボルツリーは大きな木を植えるイメージが強いですが、近年では背丈が低く育つ、低木〜中木(1〜2m程度)の木も人気があります。

気軽にはじめられる鉢植えでシンボルツリーを育てるデメリットと、魅力、鉢植えのシンボルツリーをおしゃれに見せるコツをご紹介します。
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鉢植えシンボルツリーのデメリット5選

鉢植えシンボルツリーのデメリットは、主に以下の5つです。
- 樹高の限界と転倒リスク
- 鉢サイズに制限がある
- 水やりと乾燥のリスク
- 定期的な植え替えの必要性
- 移植リスクが高くなる
鉢植えで育てる最大のデメリットは、根の生育スペースが制限されてしまうこと。限られた土のなかで生育しなければいけないため、「根詰まり」や「水切れ」が起きやすくなります。
また、木は根が伸びることで大きく生育するため「イメージ通りの大きさにならない」などのデメリットも発生します。
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特徴 | 鉢植え | 地植え |
生長 | コンパクトに育つ | ダイナミックに育つ |
水やり | 継続的な水やりが必要 | 2年目以降は基本不要 |
剪定 | 定期的な剪定が必要 | 定期的な剪定が必要 |
メンテナンス | 定期的な植え替えが必要 | 撤去時に伐根費用が必要 |
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鉢植えで必要な手入れやデメリットを理解して、シンボルツリー栽培をはじめましょう。さらに詳しい内容と解消アイデアについてもご紹介します。
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①樹高の限界と転倒リスク
鉢植えでシンボルツリーを育てる場合、地植えと比較して根の生長が制限されます。根が制限されることで、地上部の樹木が大きくならないデメリットとなります。
とくに、大きく育つ種類の樹木を選択した際は、期待するサイズにまで大きくならず後悔してしまうかもしれません。また、大きく育った場合でも鉢で支え切れずに、台風や地震などで転倒してしまうリスクもあるでしょう。
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②鉢サイズに限界がある
シンボルツリーを鉢植えにする際は、大きめの鉢を用意する必要があります。しかし、扱いができる大きさには限界があるほか、大鉢はデザイン性の高い鉢が少ないため、選択肢の幅が狭い点もデメリットです。

鉢植えにこだわりがなく、木の生育をある程度制限しながら育てたいのであれば、地中をブロックで囲う外構デザインにしたり、根止めパネルを土に埋め込んだりして生育を遅らせる方法もありますよ。

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③水やりと乾燥のリスク
鉢植えは土の容量が限られているため、地植えよりも乾燥しやすく、水やりの必要がある点がデメリットとして大きいです。とくに夏場は、こまめな水やりが不可欠で、水切れを起こすと樹木が枯れるリスクがあります。
一方で、過剰な水やりは根腐れの原因となるため、季節に合わせた最適な水やり頻度を見極める必要があります。
地植えの水やり頻度は?(クリックして続きを見る)
地植えの場合、植え付け1年目は水やりが必要ですが、根付いた後の水やりは基本的に不要。雨の降らない日が10日以上続く場合、様子を見て与える程度で問題ありません。
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④定期的な植え替えの必要性
鉢植えのシンボルツリーは、基本的に定期的な植え替えが必要です。シンボルツリーが生長するにつれて、鉢の中が根でいっぱいになり、手狭になってきます。
植え替えをおこなうことで、土の乾燥を防いだり、新しい芽が生育しやすくなります。しかし、シンボルツリーはもともと大きな鉢に植えられることが多く、植え替えは重労働となるため、頻繁に植え替えをおこなうことは現実的ではありません。最終樹高を見極めながら育てていくといいでしょう。
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⑤移植リスクが高くなる
「とりあえず鉢植えで育てておいて、場所が決まったら地面に植えよう。」という方もいるかもしれません。しかし、樹木は若い木ほど根が付きやすく、生長後に地植えするリスクが大きいです。
植え付け後の5年後、10年後をイメージして、管理ができる種類を選びましょう。

樹齢が数十年単位となる木は、新しい幹や枝に更新しながら生育していきます。無理なく管理できる大きさを選んで後悔を防ぎましょう。
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デメリット解消のポイント


鉢植えはコンパクトに育つけれど、水やりや植え替えが大変になるんだね。少しでも管理がラクになる方法はあるの?
地植えでも同じことが言えるけれど、自宅の環境に合う育てやすい樹種を選ぶことが大切。樹種選びのポイントや鉢選びの注意点について紹介するよ。

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適切な樹種選びのポイント

適切な樹種選びのポイントは、「最終樹高と生長スピード」「日照環境」「地域の温度」に適した樹種を選ぶこと。おすすめ〇選の上位だからではなく、我が家の環境に合う木を見極めることが重要です。
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1.最終樹高と生長スピード
鉢植え栽培に適した、生長が比較的ゆるやかな種類がおすすめ。例えば、キンモクセイ、ハナミズキ、レモンなどは生長がゆるやかで植え替えの頻度を少なくできます。
樹木には「最終樹高」の目安があるため、必ず事前に確認しておきましょう。適切な鉢の大きさや置き場所を決定する参考になります。

小さく育つ「矮性種(わいせいしゅ)」と呼ばれる品種があります。同じ樹種でも品種改良で矮性になっているものもあるので、探してみましょう。

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2.日当たりと日陰
日当たりを好む木を「陽樹(ようじゅ)」日陰に強い木を「陰樹(いんじゅ)」と呼びます。シンボルツリーを置く場所の日照環境を確認して育てやすいのかを確認してみましょう。

陰樹は日陰に強い半面、葉の色が濃くうっそうとした雰囲気になりがちです。日陰に強いインパチェンスやカラーリーフなどの草花で華やかさをプラスするのもおすすめですよ。
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3.耐寒性と耐暑性
樹木には寒さに強い木と弱い木があります。例えば、暖かい気候を好むシマトネリコは関東地方では人気のシンボルツリーですが、寒冷地では不向きです。
反対に、寒さを好むシラカバは幹の白さで人気が高いですが、暑さに弱いため、温暖地では育てにくく、虫も付きやすくなります。
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樹種選びのポイント
- 生長がゆっくりな木がおすすめ
- 最終樹高をチェックしておく
- 置き場所の日当たりに合わせる
- 地域の気候に合う樹種を選ぶ
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水やりと乾燥対策

水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。鉢植えの乾燥を防ぐためには、マルチング材を敷いたり、保水性の高い土を使うと効果的です。
ちょっと我慢してみて!与え過ぎないことも大切!
毎日、同じ時間に水を与えることが良いわけではありません。定期的な水やりは、木が「箱入り娘」のようになってしまい、いざ水がない時に自分で生き抜く力が弱くなってしまいます。強い木に育てるためには、土がしっかりと乾くのを待ってから与えるのがコツです。また、木には乾燥に強いタイプや水切れに弱いタイプがあるため、水やりについても木を購入する際には、プロに確認しておくと安心です。
例えば、乾燥に強い樹種はミモザ(アカシア)、ユーカリ、アセビ、アベリア、スモークツリー、オリーブなどがあります。水切れに弱い樹種としては、コニファー類(ゴールドクレスト、ウィルマなど)には注意が必要です。水切れを起こすと先端が茶色くなってしまい、元の樹勢に戻すことが難しくなります。
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植え替えのコツ

植え替えは、鉢中の根詰まりを防ぎ、新しい土をいれることで樹木の生長を促すためにおこなう作業です。樹種に合った適切な時期に植え替えをおこない、シンボルツリーへの負担を最小限に抑えましょう。
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ゆっくり育てるなら小さい苗木から
小さい苗木から徐々に大きな鉢に植え替えることで、植え替えの労力を軽減できます。ただし、目隠しや見た目の彩を目的とする場合には不向きです。おしゃれなフェンスやガーデン雑貨、草花と組み合わせてもいいでしょう。
根を切る時は上部の剪定も必要
植え替えでは根を整理する必要があるため、傷が付くことも多いでしょう。木の枝や葉は、根を伸ばした分だけ大きく生長しています。そのため、植え替えで根を傷めた場合は地上部の剪定をしてバランスを取ることが大切です。
これ以上大きくしたくない場合
これ以上鉢を大きくしたくない場合でも、土中の土を入れ替えることが元気な木に育てるために大切です。これ以上大きくしたくない場合は、鉢から一度取り出して古くなった根や土を取り除き、新しい土を入れてあげましょう。
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重くて鉢から取り出せない・・・!という場合でも、根鉢のまわりの土だけでも入れ替えることで効果を得られます。専門書通りにはなかなか上手くいかないものですが、無理のない範囲で楽しくシンボルツリーのお世話をしてみてくださいね。
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我が家にぴったりの樹種選びは、地域の専門家に相談することが大切です。
地域の外構会社・造園会社を探せるサイトをまとめました。
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おしゃれで素敵な庭の演出に緑が欠かせません。ぜひ、お近くの外構会社(造園会社)や園芸店などに、お気軽に相談してみてくださいね。
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デメリットを解消して鉢植えシンボルツリーを楽しもう

鉢植えでシンボルツリーを育てる際のデメリットや解消アイデアなどをご紹介しました。鉢植えで育てる場合でも、地植えで育てる場合でも、我が家の環境に合う樹種はどれになるか?を知ることが大切です。
シンボルツリーと言えば、大きな木をイメージする方も多いかもしれませんが、鉢植えの場合は低木〜中木を育てるのもおすすめです。花が美しい木、香りが良い木、葉色が美しい木など、おしゃれで育てやすい樹種からお気に入りの木を見つけていきましょう。
また、シンボルツリーだけでなく、草花やフェンスなどのガーデンアイテムを組み合わせることで、玄関先や庭をより魅力的に演出できます。シンボルツリーなどの庭アイテムを活用して、ガーデニングを楽しみましょう。