シルバープリペットを植えたいけれど、後悔するって本当かな?
気に入った種類の木でも植えて後悔しないか心配だよね。でも、大丈夫!失敗しない植え方を確認して後悔を防いでいこう。
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この記事のポイントまとめ
- 庭に合わないなら植えてはいけない
- 掃除をゼロにする配置計画をする
- 後悔しないデザインアイデア5選
- 手入れで失敗しないコツを紹介
この記事を書いている人
この記事を書いている私は、園芸店やガーデンデザイン設計事務所で働いていました。かわいらしい葉や花が魅力のシルバープリペットは、ガーデニングでも人気の庭木の一つ。
しかし、「大きくなりすぎて困ってしまう」などのデメリットもあります。植えて後悔しないためにも、事前に自宅に植えて大丈夫なのかを確認していきましょう。
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シルバープリペットで後悔する理由7選
シルバープリペットを植えて後悔する理由は、主に以下の7つ。
後悔の理由
①隣地に侵入して後悔
②道路にはみ出して後悔
③剪定が面倒で後悔
④掃除が大変で後悔
⑤見た目の変化で後悔
⑥害虫発生で後悔
⑦土地に合わなくて後悔
まずは、7つの理由で後悔する庭の特徴について見ていきましょう。
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①隣地に侵入して後悔
シルバープリペットは、枝を伸ばしながら放射状に成長します。伸びた枝が隣地に侵入してしまうと剪定が難しくなり、枝や花、葉が落ちて迷惑をかけてしまう可能性があります。
隣人トラブルが心配な場合は、隣地境界から境界線から幹芯までの距離を2m以上の余裕をもたせて植えると良いでしょう。境界までの距離が視覚的に分かるようにフェンスを併用して設置するのもおすすめですよ。
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②道路にはみ出して後悔
道路境界に生垣として設置する場合は、境界からはみ出して通行人の方に迷惑がかかる可能性があります。隣地境界と同じく、境界から十分に離して植えたり、境界線の目印を設置したりして、対策をしていきましょう。
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③剪定が面倒で後悔
シルバープリペットは、成長が早いため定期的な剪定が必要。剪定をしないまま放置してしまうと、株が乱れて後悔の原因になります。
5m以上の生垣にしたい場合は、特に剪定の負担が大きくなる可能性があります。列植する場合は、管理できる本数を見極めていきましょう。
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④掃除が大変で後悔
シルバープリペットは、春に小さな白花が咲きます。咲き終わった花が地面に落ちたり、葉が落葉したりすると、掃除が必要になる場合があります。
植物を育てる場合は、落ち葉や花がらが出るのは当然のこと。しかし、一度に大量に落ちると目立ってしまい、気になるという方も居るでしょう。
玄関アプローチや道路沿いなど、目立つ場所に落ちてしまうと「花や葉が落ちた時の掃除が大変・・」と後悔してしまう原因になるため注意しましょう。
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⑥害虫発生で後悔
シルバープリペットは、虫が付きやすいということを知らずに後悔してしまう声もあります。害虫の主な発生原因は「風通しが悪い=剪定をしていない」こと。
風通しが悪い場所や剪定がしづらい場所を避けて植える。また、事前に害虫スプレーを散布しておくと決めるなど、手入れの中に組み込んで庭づくりの計画をしておくと良いでしょう。
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⑤見た目の変化で後悔
シルバープリペットが人気の理由の一つに「葉の美しさ」があります。白の斑入りやレモンライムが美しい葉など品種によって違いがあるため、お気に入りの苗選びも楽しめます。
斑入りの品種を育てていると緑一色の葉が出てくることがあります。これは、「先祖返り」という現象で、変化を防ぐためにはこまめな剪定をする必要があります。
シンボルツリーとして庭に植える場合は、葉色に惹かれて購入する方も多いはず。そのため、先祖返りをしている枝はなるべく早くカットする必要があります。
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⑦土地に合わなくて後悔
シルバープリペットは、寒さに弱い性質があります。耐寒温度は、およそマイナス5度で強いという見方もできますが、「半落葉」の性質から、冬になると落葉してしまう地域もあります。
地植えにする場合は、防寒対策をするか、落葉しても良い場所に植えるのがポイント。常緑樹を植えるのが好ましい生垣に採用すると、落葉で後悔する原因になってしまうでしょう。
自宅に植えても良いのかを迷う場合は、まずは1本植えてみるか、地域のプロに相談して決めると安心ですよ。
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シルバープリペットの代わりになる庭木は?
「シルバープリペットみたいな木が好き!」という方は、シルバープリペットに似た白い斑入り葉のアベリア、レモンライムに似たオウゴンマサキなど他の庭木も検討してみましょう。
アベリアは、樹高1〜1.5mとシルバープリペットよりも低いですが、斑入り葉品種は白花もかわいらしくシルバープリペットによく似た雰囲気の低木です。
オウゴンマサキは、樹高6mまでになる性質ですが、樹高2mほどでおさえられる生垣にも人気の庭木。シルバープリペットよりも葉が大きめで存在感がありますが、鮮やかなイエローが魅力的です。マサキには、白色の斑入り品種もありますよ。
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メリット・デメリットまとめ
シルバープリペットで後悔する声がある一方で、かわいらしく生育旺盛な性質から人気が高いのも事実です。
シルバープリペットのメリット・デメリットをまとめました。
メリット:葉と花でおしゃれな庭に
- 生育旺盛でとっても丈夫!
- 1本から目隠しになるからコスパが良い
- おしゃれな葉や花を楽しめる
丈夫で早く成長するため、広い庭をコスパよくおしゃれに演出できるおすすめの樹木と言えるでしょう。
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デメリット:正しい手入れが必要
- 手入れが必要(1年で約50cm伸びる)
- 大きくなると庭を窮屈に感じる
- 地域によっては防寒対策も必要
敷地の広さと地域環境、庭づくりに費やしたい時間をイメージすることが大切です。
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【これで解決】掃除ゼロ×ルーティン化
シルバープリペットの後悔を解決するカギは2つ。
解決ポイント
- 掃除の手間をゼロにする
- 手入れのルーティーン化
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掃除をゼロにする方法
シルバープリペットの掃除は、そもそも必要ない程度と言えます。理由は、花も葉っぱも小さく風で飛ばされても目立たないから。
花壇や自然素材を使った庭は、落ちた花や葉は片づけるゴミではなく、四季を感じさせてくれるよいアクセントです。自然を主体にした庭づくりをすることで、シルバープリペット以外の花がらや落葉も気にならなくなりますよ。
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ルーティン化の方法
シルバープリペットの剪定適期は花が終わってから秋までが適期。ただし、8月は避けた方が良く、秋は攻撃性が高くなるスズメバチも心配になる時期です。
「花が終わったら6月中に剪定をする」と決めてしまいましょう。
また、サイズ感にこだわりたい場合は、目安となるフェンスなどを設置して「ココからはみ出たら切る」と決めても良いでしょう。
シルバープリペットは放任すると様々な後悔につながってしまいます。今年も剪定時期になったなぁ〜と自然に庭に出られるキッカケを作っていきましょう。
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シルバープリペットで後悔しない庭のデザインアイデア5選
成長スピードに気を付けて放任しないことが大切なんだね!庭のどこに植えれば良いのかもっと詳しく知りたいな。
庭でシルバープリペットの魅力を楽しめるデザインを探していこう!
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シルバープリペットを植えて後悔しない庭のデザインアイデアを紹介します。
シルバープリペットは、成長後の大きさを想定して植えるのがポイント。自宅に植えるなら?とシミュレーションしながら計画をして、後悔を防いでいきましょう。
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①生垣×花壇で華やかに
レンガの花壇を30cmほどの高さで設置。シルバープリペットを列植し、草花を組み合わせるデザインアイデア。
レンガを縦に1列に立てて並べる方法(コバ立て)でも、空間が区切られておしゃれに仕上がります。積まない花壇は、コスパもよくDIYでも気軽に挑戦できるでしょう。
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②生垣×フェンスでスッキリ
フェンスと組み合わせて、目隠しが欲しい高さにシルバープリペットを伸ばすデザインアイデア。低めのフェンスは、境界をスッキリ仕上げるのに有効です。
目隠しフェンスは圧迫感が気になるという場合にも、生垣とフェンスの組み合わせがおすすめ。道路にはみ出そうな枝がひと目で分かるため、剪定もスムーズにできるでしょう。
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I簡易フェンスで境界の目印にする方法も◎
アイアンフェンス ワイドタイプㅤ
③生垣×枕木でナチュラルに
木を列植してつくる本来の生垣とは異なりますが、枕木と組み合わせて境界を仕切るデザインアイデアです。
境界をやわらかく区切り、風通しが良くなるレイアウトは、シルバープリペットが好む環境を作れます。特に目隠しが欲しいポイントには、2〜3本をまとめて植えてメリハリをつくるのも良いでしょう。
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④シンボルツリー×庭を明るく
シンボルツリーとして庭の中心にシルバープリペットを配置したデザインアイデア。明るい葉色が庭を明るく演出してくれます。
庭の中心に植えることで自然樹形のまま3mまで育てても風通しを確保できます。
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⑤シンボルツリー×門柱でかわいく
シンボルツリーとして、門柱に添えて植えるアイデア。シルバープリペットの樹形が美しく見えるように、門柱の手前に配置しました。
2m以上に大きく育てて存在感を示したい場合には、門柱の後ろあたりに配置するのも良いでしょう。
門柱に添えるデザインは、シルバープリペットの大きさを整える目安になります。来客の際には目に付くところのため、こまめな手入れが必要になりますが、毎日通る場所に植えれば、気付いたら大きくなっていたという後悔を防げるでしょう。
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手入れで失敗しないコツ
生垣として人気の高いシルバープリペット。ナチュラルに仕上げたい、目隠しをしたいなど、目的別に手入れで失敗しないコツについて紹介します。
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自然樹形を活かしてナチュラルに
ナチュラルな雰囲気にしたいなら、自然樹形を知っておくことがポイント。シルバープリペットの自然樹形は、幹を中心に、放射状に複数の枝を伸ばしながら、こんもりとした姿をしています。
自然樹形で育てる場合は、何回も刈り込みをする必要がないため、手入れをラクにできますよ。木の足元には、おしゃれな化粧砂利や日陰に強いグランドカバーを合わせていきましょう。
ただし、自然に育てたいからと放任するのは要注意です。自然樹形を活かしつつ、絡み合っている枝や先祖返りをしている枝をカットして健康に美しく育てていきましょう。
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目隠し重視ならこまめな剪定が必要
目隠し重視で植える場合は、こまめに剪定して理想の形に整える必要があります。育てたい高さと幅を事前に決めて、それに合わせるように剪定を繰り返していきましょう。
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風通しを意識して虫を予防
目隠し重視など、密に育てたい場合には、風通しの確保も気を付けたいポイント。虫の予防のためには、害虫スプレーよりも風通しを確保して健康な木に育てていくことが大切です。
隣地との距離が近い場合や、家の外壁から3m以下の場合は、風通しが悪くなってしまう可能性があります。木と木の間隔を空けたり、枕木や目隠しフェンスなども組み合わせることも検討してみて下さい。
また、幼虫を見つけたら速やかに取り除き、殺虫剤を散布して被害が広がらないように対処していきましょう。
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寒さで落葉したらじっと春を待つ
シルバープリペットは、常緑樹ですが半落葉の性質を持っています。これは、冬の寒さに耐えるために、葉っぱを落として体力を消耗しないために起こる症状です。
温暖地でも、寒さが厳しい年など「今年は去年と様子が違う」と感じることがあるかもしれません。枯れたかな?と思っても、無理に手を入れずに春の芽吹きを待ってあげましょう。
春に新芽が出ない場合は、残念ながら枯れてしまっています。しかし、幹を切って芯に緑が残っている場合や、一部から芽が出てきたなら生きている枝を活かして育てていきましょう。
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シルバープリペットにスズメバチが寄ってくるのはなぜ?
シルバープリペットは、スズメバチが寄ってくるという後悔の声もありました。スズメバチが寄ってくるのは、木から出る樹液が原因です。
シルバープリペットの他にも、シマトネリコやナンテンなどは樹液が出やすい樹木です。シルバープリペットは、スズメバチの巣を作ってしまうという事例は見つかりませんでしたが、心配な場合は植えるのを避けるか、窓のそばから離れた場所に植えるようにしましょう。
補足として、樹液の出る木はデメリットだけではありません。シマトネリコなどの樹液が出る樹木は、夏は子供達をワクワクさせるカブトムシを寄せ付ける場所にもなることも。攻撃的になる秋に備えてスズメバチ撃退用のスプレーを散布しておく方法もありますよ。
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シルバープリペットを高くしたいなら誘引する方法もアリ
シルバープリペットは、2m程で育てるスタイルが人気。成長スピードが早くて手入れが大変!という意見がある一方で、「もっと高く成長させたい」という声もあります。
希望のサイズに枝を成長させたい場合は、支柱を使って誘引する方法があります。支柱は、野菜の栽培などで使う緑色の太くてしっかりしたものが手軽に入手できておすすめです。
支柱以外にも、アイアン製品などのおしゃれな見た目のフェンスやオベリスクに誘引すると、立体感のある庭を演出できますよ。
オベリスクで庭をおしゃれに演出
ベルツモア・ジャパン製 ミニオベリスクㅤ
シルバープリペットを鉢植えで育てる
シルバープリペットは、鉢植えで育てる方法もあります。鉢植えは水やりが大変になるので、基本的には庭に地植えがおすすめですが、気軽に場所を変えられて、風通しの確保もしやすくなります。
また、挿し木をして増やしたり、新しい株に更新したりしながら育てていく方法もありますよ。
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シルバープリペットでおしゃれな庭を演出しましょう
シルバープリペットは葉も花もかわいらしく、ガーデニングに取り入れたい人気の庭木です。伸びた枝を刈り込んで生垣として植えるのか、自然樹形を生かして放射状に育てるのか、成長後のイメージを決めて後悔を防いでいきましょう。
風でやさしく揺れるシルバープリペットは、庭を明るい印象にするのにもぴったりです。理想の姿へと育てがいのあるシルバープリペットを植えておしゃれな庭を演出していきましょう。
寒さが心配な場合は、地域のプロに相談してみて。無理なく元気に育てられる木を選んでいきましょう。