災害時のトイレ問題が心配。庭をうまく活用することはできないかな?
災害時には何があるか分からないからこそ、いろいろな選択肢を把握しておくことが大切。事前にそろえるべきものや注意点を紹介するよ。
災害時、自宅のトイレが使えなくなった場合に備えて、庭に設置できるトイレの準備は重要です。この記事では、災害時にトレイを庭に設置する際の注意点から、家庭用の簡易トイレの選び方、庭にトイレを作るアイデアまで詳しくご紹介します。
この記事のポイントまとめ
ポイント
防災トイレは優先順位の高い順に備える
優先順位は以下のとおり
- 非常用トイレ
- 移動式簡易トイレ
- 簡易テント(目隠し)
- 物置や小屋
- 庭全体の目隠しを検討する
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この記事を書いている人
庭や家まわりの工事をおこなう外構会社で働いていました。さまざまな庭の計画や工事に携わった経験があります。
- 地震が心配で室内に入れない
- 避難所ではなく自宅の庭で過ごしたい
災害時にはさまざまなシーンが予想されます。
家族の分だけでも自宅で解決することができれば、より助けが必要な人へ支援が行き届くことにもつながります。そんなもしもの時に、庭でトイレ問題を解決する方法についてまとめました。
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災害時のトイレ問題と注意点
まず、災害時のトイレ問題と注意点について見ていきましょう。
災害時には断水でトイレが使えなかったり、避難所のトイレを使用して感染症のリスクが上がったりする心配があります。庭に埋めて処理したいという場合にも、道具やコンポストなど用意するものを確認して災害に備えましょう。
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災害時にトイレが使えなくなるリスク
地震や台風などの災害発生時、水道管の破損や下水処理施設の停止により、自宅のトイレが使えなくなる可能性があります。排泄物の処理は衛生面で非常に重要であり、対策を事前に考えておく必要があります。
断水が発生した場合、水洗トイレは使用できなくなり、排泄物の処理が困難になります。とくに都市部では、下水処理施設の停止が広範囲に影響を与えるため、早めの対策が不可欠です。
災害時のトイレは、水分摂取を控えてしまうなど、精神面にも影響する問題。災害時でも安心して、行きたい時に行けることが避難生活を支えてくれます。
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避難所でのトイレ環境
避難所ではトイレの数が限られ、衛生状態が悪化しやすいです。プライバシーの確保も難しく、ストレスを感じる人も少なくありません。
とくに女性や高齢者、小さな子供がいる家庭では、避難所のトイレ環境は大きな負担となるかもしれません。そのため、避難所から自宅へ移動し、庭にトイレを設置することも災害時には有効な選択肢。不特定多数の人が使用する避難所のトイレと比較して、自宅のトイレであれば感染症のリスクも下げられます。
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災害時のトイレ使用における注意点
水洗トイレが使えない場合、排泄物を適切に処理する必要があります。凝固剤やビニール袋を使用したり、使い捨て手袋や消毒液などを準備して感染症予防をすることも重要です。
排泄物をそのまま放置すると、悪臭や害虫の発生原因となります。地域によっては庭に穴を掘って埋めるという方法も使用できるかもしれませんが、悪臭により近所迷惑となるおそれがあるため、庭で処理したい場合は、バイオトイレ(コンポストトイレ)を事前に準備する必要があります。
また、水道設備が徐々に復旧する場合には節水意識も大切。災害時は貴重な水を無駄にしないように心がけましょう。
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防災トイレの優先順位
防災トイレは、我が家で必要な優先順位を明確にして備えることが大切。災害時に備える防災トイレは、安価に備えられる非常用トイレから庭に設置する屋外トイレまでさまざまです。
防災トイレの優先順位は以下を参考にしてください。
- 非常用トイレ
- 移動式簡易トイレ
- 簡易テント(目隠し)
- 物置や小屋
- 庭全体の目隠しを検討する
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優先順位①非常用トイレを多めに備える
非常用トイレ 60〜600回
優先順位が最も高く、防災用品として最低限備えるべき防災トイレは、非常用トイレ。50個や100個など、大量に安価で入手できます。1人分に必要な数の目安は、15個(1日5回×3日分)〜35個(1日5回×7日分)とされています。
4人家族で200個分を目安に、ストックしておきましょう。非常用トイレは軽くコンパクトに収納できるため、車の中に常備しておくのもおすすめです。
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優先順位②移動式簡易トイレ
簡易トイレ 折りたたみ ポータブルトイレ
移動式簡易トイレは、非常用トイレをセットして使用できます。ボックス型や折りたたみ式があり、比較的コンパクトに収納できる点が魅力。
簡易トイレの中に非常用トイレを入れて、一緒に保管すると使用する際にスムーズです。
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優先順位③簡易テント(目隠し)
防災グッズ 簡易テント
親しい家族であっても見られたくない、とてもデリケートな場所であるのがトイレです。目隠しに使える簡易テントがあれば庭に簡易トイレを設置する際に役立ちます。
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優先順位④物置や小屋
手軽に設置できる簡易テントですが、音や匂いを抑えることは難しいです。物置や小屋が庭にあることで、普段は物置として使用し、災害時には簡易トイレとして活用できます。
衛生面を考慮して「物置+簡易テント+移動式トイレ」を設置して使用するのがおすすめ。災害後の片付けや掃除も簡単になりますよ。
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優先順位⑤庭全体の目隠しを検討する
庭にトイレを作る場合、土地の端に作りたいという方も多いでしょう。ただし、隣地や道路に近い位置に設置する場合は落ち着くことができないことが予想されます。
災害時の避難場所として庭を使用する場合、庭全体の目隠しがあると安心です。非常用トイレや簡易トイレの準備が整ったら、庭全体のプライベートを守ることも検討してみてください。
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庭に設置する簡易トイレの選び方
庭に設置する簡易トイレは主に以下の3つ。
- 移動式の簡易トイレ
- 固定式の屋外トイレ
- コンポストトイレ(バイオトイレ)
移動式の簡易トイレは、災害時やキャンプの際に活躍するトイレ。固定式の屋外トイレは、広い農地がある場合など、普段使いとして活用されます。
コンポストトイレは、微生物を使用して排泄物を分解するバイオトイレの一つ。畑やガーデニングの肥料として活用できます。
庭に簡易トイレを設置する際は、防災時だけの利用なのか、趣味や生活の一部として使いながら備えることができるのか、土地や生活スタイルに合わせて選びましょう。
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設置場所とタイプ
庭に設置する簡易トイレは、設置場所やスペース、家族構成によって選ぶと良いでしょう。既成品だけでなく、DIYで自作することも可能です。
庭に設置する場合は広さを確認し、十分なスペースを確保できるかを確認しましょう。また、家族の人数や年齢層を考慮して、使いやすいタイプを選ぶことが重要です。
移動式と固定式どちらが自宅の庭で使いやすいのかを選ぶこともポイント。移動式トイレは、使わない時は移動させることができますが、固定式トイレは設置場所をしっかり確保する必要があります。
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バイオトイレとコンポストトイレの特徴
バイオトイレやコンポストトイレは、電気を使わずに排泄物を分解・処理できるため、災害時にも安心して使えます。微生物の力で排泄物を分解するバイオトイレは、臭いを抑える効果もあります。
環境への負荷も少なく、持続可能なトイレとして注目されています。ただし、定期的なメンテナンスが必要となるため、日頃から使用しやすいようによく検討してから設置してください。
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FRP部材を使ったDIYトイレ
FRP部材や木材、合板などを組み合わせれば、庭に簡単に設置できるトイレを自作できます。耐久性にも優れ、長持ちするトイレを作ることが可能です。
FRP部材は、軽量で強度が高く、耐水性にも優れています。DIYでトイレを自作する場合、設計図を事前に作成し、必要な材料や工具を揃えてから作業を開始しましょう。
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庭に防災トイレを備えて災害時に備えよう
さまざまな防災用品があるなかで、庭に設置できる防災トイレは、安心感を増やすことができる防災アイテム。キャンプやコンポストなど、普段の生活スタイルの延長で備えられる移動式の簡易トイレや屋外トイレもあります。
災害時のストレスを軽減し、衛生面や健康面でも活躍する防災トイレを庭に備えてみてはいかがでしょうか。
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