ジューンベリーをシンボルツリーにしたい!気を付けることがあれば事前に知っておきたいな。
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花や実、紅葉を楽しめるジューンベリーは人気が高い庭木の一つ。自宅の庭に植えて後悔しないためのポイントを確認していこう。
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この記事のポイントまとめ
- 丈夫でシンボルツリーにもぴったり
- 植えてはいけない庭の特徴5選
- 自然樹形を活かして手入れをラクに
- ジューンベリーで豊かな庭を演出しよう
この記事を書いている人
この記事を書いている私は、園芸店やガーデンデザイン設計事務所で働いていました。ジューンベリーを外構プランに提案させていただき、植栽工事まで携わった経験もあります。
色々な樹木を植える現場に携わってきましたが、ジューンベリーは魅力が多く、我が家の庭でも育てています。
この記事では、実体験を取り入れながら、ジューンベリーの魅力や植えてはいけない庭の特徴について詳しく紹介します。見頃たっぷりのジューンベリーで、四季を感じる豊かな庭を演出していきましょう。
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ジューンベリーの魅力
バラ科ザイフリボク属の落葉高木に分類されるジューンベリー。「アメリカザイフリボク」「ダウニー・シャッドブッシュ」という別名もあります。春には白い小花が咲き、春の終わり〜梅雨前の頃にバラの実に似たかわいらしい赤い実を付けます。
四季を感じられるジューンベリーの魅力を紹介します。
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見頃が多く1年を通して楽しめる
四季を感じさせてくれるジューンベリーは、庭のシンボルツリーとしてもぴったりの木と言えるでしょう。春の芽吹きから秋の紅葉まで、次々と変化する姿は庭を豊かに演出してくれます。
「冬は葉が落ちるから殺風景になるのでは?」という意見もあるかもしれません。しかし、ジューンベリーのスラっと伸びる枝ぶりは美しく、雪が降り積もる姿もまた魅力的ですよ。
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春:株いっぱいに小花を付ける
まだ寒い日の朝。ジューンベリーの芽吹きが春の訪れを知らせてくれます。
桜が終わる頃がジューンベリーの開花時期。葉が出る前に花が満開になるため、真っ白な花が一面に咲く姿に魅了されます。
夏:赤い実を付ける
花が落ちた後、6月頃にサクランボに似た小さな赤い実を付けます。熟した美味しい実を目当てに鳥が庭に遊びに来る姿が見られることも。
秋:紅葉で庭を彩る
秋には黄色〜オレンジ色に紅葉します。モミジのようにハッキリとした美しい紅葉とまでは行きませんが、秋らしい彩りを庭に与えてくれます。
冬:美しい枝ぶり
葉が落ちてから春まで、数か月間は落葉期。冬の暖かな日差しを取り入れて庭を明るくしてくれます。
スラっと伸びた自然樹形を楽しみながら春を待ちます。
寒さにとても強いジューンベリー。雪が降り積もった姿も美しく、力強さを感じさせてくれます。
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自家製ジューンベリージャム
ジューンベリーの実は、そのまま摘んでも食べられます。甘さが少ないことや、一度にたくさんの実を付けるので、自家製ジャムにして楽しむ方法が人気です。
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要注意?ジューンベリーの毒性について
実が食用として楽しめるジューンベリーですが、葉っぱには毒性があり、ペットに食べさせてはいけない植物としても紹介されています。
参考「犬にとって危険な植物たち〜危険!犬に食べさせてはいけない植物 2~
また、ジューンベリーに付く害虫には、イラガなど毒性を持つ種類もいます。害虫が発生しやすい春〜秋には手で触れないように注意する必要があります。
庭で虫を発見した時には、子供と一緒に図鑑を見ています。虫が大好きな息子ですが、危険な虫も居ることを学ぶ良いキッカケになりましたよ。
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ジューンベリーを植えてはいけない庭の特徴5選
ジューンベリーを植えてはいけない庭の特徴は主に以下の5つ。
植えてはいけない庭
- 特徴①奥行3m以下の庭
- 特徴②隣地境界が近い庭
- 特徴③実の掃除が必要になる庭
- 特徴④落葉掃除が大変になる庭
- 特徴⑤鳥よけをしたい庭
それぞれの特徴と、対策について見ていきましょう。
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特徴①奥行3m以下の庭
ジューンベリーの樹高は3〜5mほどで、大きく成長する性質を持っています。そのため、庭の奥行が5mは欲しいところです。
また、日当たりが悪いと太陽を求めて伸びた枝が境界からはみ出てしまう可能性が高くなります。大きくしないためにはこまめな剪定が必要になるため、奥行3m以下の庭には植えてはいけない木として捉えておきましょう。
対策として、下記で大きくなりすぎない矮性種を紹介します。
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特徴②隣地境界が近い庭
隣地境界が近い場所に植える場合も注意が必要。ジューンベリーは、花、実、葉を落としながら1年を過ごします。
そのため、隣地境界が近い場所に木を配置したい庭には不向きと言えるでしょう。
落ち葉などの問題が「お互い様」となるのは、地域や環境によって異なる場合もあるはず。植える場所を決める際には、隣地や近隣への配慮を考えて後悔を防いでいきましょう。
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特徴③実の掃除が必要になる庭
ジューンベリーは、花が終わった6〜7月頃に赤い実を付けますが、収穫をしない場合は、熟した果実が自然と地面に落ちていきます。落ちた実の汚れが付くと掃除が大変になる場所には、樹種を変更するか植える場所を再検討してみましょう。
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例:植えてはいけない場所
- ウッドデッキの近く
- 玄関ポーチの近く
- カーポート屋根にかかる
- 人工芝の庭
例えば、天然芝に落ちた実はいづれ地面に吸収されますが、プラスチック製の人工芝は生え変わらないので汚れが気になる可能性があります。
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特徴④落葉掃除が大変になる庭
秋には紅葉を楽しめるジューンベリーは、落ち葉の掃除が必要になることも。分譲地などで、隣地が近い場合は近隣へ迷惑になってしまう心配があります。
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落葉期は1〜2週間ほどで終わるので常に大変という訳ではありません。我が家では、芝生に落ちた葉をまとめて掃除をしていますよ。
昨年は息子が手伝ってくれ、集めた落ち葉でそり滑りを楽しみました。
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特徴⑤鳥よけをしたい庭
ジューンベリーの赤い実は、食用にできるほど美味しい果実。そのため、実を求めて鳥が庭に寄ってくる原因になります。
「鳥が来る光景を楽しむ庭」なら良いですが、他のものも食べられて困ってしまう可能性も。例えば、実が美味しいブルーベリーやイチゴなども鳥は大好きです。
大きく成長するジューンベリーは、鳥よけ対策を万全に行うことも難しいです。そのため、畑や他の果樹に鳥を寄せ付けたくないという場合は、庭に植えてはいけないと言えるでしょう。
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メリット・デメリットまとめ
様々な魅力があるジューンベリーですが、庭のスタイルによってはデメリットになる場合もあります。
ジューンベリーのメリット・デメリットをまとめました。
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メリット
- 四季を感じられる
- 丈夫で育てやすい
- 自然樹形が美しい
- 鳥がくる庭にできる
1本で四季の移り変わりが感じられるのがジューンベリーのメリット。また、とても丈夫で初心者の方にもおすすめの庭木です。
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デメリット
- 掃除が必要になる場合が多い
- 隣人・近隣への配慮が必要
- 害虫が発生する可能性がある
- 鳥が寄ってくる
鳥が寄ってくることは、メリットにもデメリットにもなります。理想の暮らしをイメージしながら庭木を選定していきましょう。
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気軽にはじめられる矮性品種
最高樹高1.5m程で育てられる矮性品種(わいせいひんしゅ)は、鉢植えでも気軽に育てられます。庭の奥行きが狭い場合や、境界からはみ出てしまう心配がある場合には、矮性品種も検討していきましょう。
大きくならないジューンベリーの品種
矮性ジューンベリー リージェント
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【デザイン】花と実でおしゃれに魅せるジューンベリーを庭にレイアウトしてみよう
ジューンベリーを庭にレイアウトする際のポイントを、デザイン例を参考にしながら紹介します。
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①シンボルツリーなら株立ちがおすすめ
株立ちとは、根元から複数の幹(3本以上)が出ている木のこと。ジューンベリーは、幹が1本の単幹と株立ちがありますが、シンボルツリーとして植えるなら株立ちがおすすめです。
株立ちのメリット
- 目隠し効果がある
- 成長がゆっくりになる
- 剪定が簡単になる
ジューンベリーの株立ちは、やわらかい目隠しにピッタリ。枝数が多くなるため、葉が落ちる冬でも目隠し効果が期待できます。
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②華やかな玄関アプローチを演出
ジューンベリーの花が一面に咲く姿は、華やかさを演出するのにも向いています。やさしい色合いの白花(ピンク花)は、どんな植物にも合わせやすいのも嬉しいポイント。
春に咲く花とジューンベリーを組み合わせて華やかな玄関アプローチを演出していきましょう。上記のデザインでは、背面にレンガ積みを入れて落葉期でも玄関先が寂しくならないようにしています。
ただし、玄関アプローチにかかるように植える場合は注意が必要。収穫時期には、収穫または掃除をするように庭づくり計画に組み込んで後悔を防いでいきましょう。
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③季節の収穫を楽しむ庭
実を収穫して楽しめる植物はジューンベリーだけではありません。「季節の収穫を楽しむ庭」のメインツリーとして、ジューンベリーを植えるデザインアイデアはいかがでしょうか。
ベリー系 | イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、グミ(シルバーベリー)、マルベリー、ブラックベリー、クランベリー、チョークベリー など |
ハーブ系 | ローズマリー、ラベンダー、ミント、チャイブ、タイム など |
果樹類 | レモン、ブドウ、キウイ、サクランボ、ユスラウメ など |
収穫を楽しめる庭は、暮らしと庭をつなげてくれます。料理が好きな方にもおすすめですよ。
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【植え方】根付くまでは水切れに注意
ジューンベリーの花と実を楽しむためには、植える場所の環境づくりが大切。ジューンベリーを植える前には土づくりをしっかり行ってから植えるようにしましょう。
比較的育てやすいジューンベリーですが、高温乾燥が続く真夏には水切れに注意します。庭に根付いた後は基本的に水やりは不要ですが、植えてからしっかり根付くまでの1年目は特に水切れに注意しましょう。
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【手入れ】自然樹形を活かす剪定を
ジューンベリーの手入れをラクにするポイントは、自然樹形を活かすこと。ジューンベリーは、枝をのびのびと育てられる場所に植えてあげれば伸びすぎた枝をカットする程度で済みます。
剪定の時期は、落葉期が適期です。落葉期には既に翌年のための花芽が形成されているため、枝の先端を全て落としてしまうと花と実が付かなくなるため注意しましょう。
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【病害虫】健康に育てて害虫を防ぐ
ジューンベリーには、害虫が発生する可能性があります。庭に虫が来ることは自然なことですが、厄介なのが毒性を持つイラガやチャドクガなどが付きやすいことです。
害虫(特に毛虫)が付きやすい春〜秋頃は、葉の裏などに付いていないか確認し、見つけたら速やかに殺虫剤をまくなどの対処をしていきましょう。
病害虫は、弱った木に付きやすくなるため、肥料を適切に与えてあげることも大切です。健康な木に育てて病害虫を防いでいきましょう。
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【苗木】植える時期にあわせて入手
ジューンベリーの苗木は、園芸店やネットショップなどでも入手可能。環境が似ている、同じ地域で栽培された苗の購入がおすすめですが、丈夫なジューンベリーは好きな枝ぶりや品種を優先して選んでも良いでしょう。
シンボルツリーとして植えるなら、3m以上の株を業者に依頼するのがおすすめですが、小さな苗木から成長を楽しむ方法もあります。
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苗木で入手できるジューンベリー
大きめの花と実が魅力
ジューンベリー【バレリーナ】
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珍しいピンク花
ジューンベリー ロビンヒル(ピンク)
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樹高1.5mのコンパクトサイズ
矮性ジューンベリー リージェント
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苗木は、基本的に植える時期に多く流通します。3月下旬〜5月までに植え付けを完了させて、夏までに根を付けておくと水やりの管理がラクになりますよ。
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ジューンベリーで豊かな庭を演出しましょう
花と実、紅葉と見頃が多いジューンベリーは、庭を豊かにするシンボルツリーとしてぴったり。植えてから後悔しないために、実が落ちること、落葉や鳥などのデメリットを理解してから植えると良いでしょう。
また、ジューンベリーは、刈り込みをし過ぎずに、自然のままに育てることが庭づくりをラクにするポイントです。四季を感じられるジューンベリーで豊かな庭づくりを楽しみましょう。
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外構プラン依頼で後悔しない庭づくりを
庭づくりは、庭木の他にもウッドデッキや玄関アプローチ、駐車場などと密接に関係しています。地域によっても育てやすいおすすめのシンボルツリーが異なります。
地域のプロに外構プランを依頼して、後悔しない庭づくりをしていきましょう。
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