おしゃれなナチュラルガーデンのレイアウト例を見たい。
自然な雰囲気の庭にするためのポイントが知りたいな。
ナチュラルガーデンは、外空間の庭にぴったりのテイスト。
個人庭園におすすめのデザインレイアウト例を紹介するよ。
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この記事のポイントまとめ
- 曲線や植物で緩やかに区分けする
- デザインレイアウト例10選を紹介
- 狭い庭は、アイテムと高さを使いこなす
- 広い庭は、基本の手入れをラクにしよう
- ナチュラルガーデンにおすすめアイテム
この記事を書いている人
この記事を書いている私は、ガーデンデザイン設計事務所でプランナーとして働いていました。自然素材や植栽を得意とする施工会社で庭づくりの基本を学び、数百件の庭づくりに携わってきた経験があります。
庭付き一戸建てに住んで4年目。自宅の庭では、花壇や家庭菜園、芝生、シンボルツリーなどをレイアウトし、自然を楽しむ“ナチュラルガーデン”に庭づくりを実践しています。
庭は、最も身近な自然を感じられる場所。
しかし、ナチュラルガーデンはメンテナンスが大変かもと心配される方も多いです。手入れをなるべくラクにするデザインアイデアも紹介しますので、庭づくりを計画中の方はぜひ最後までご覧ください。
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ナチュラルガーデンの特徴と魅力
ナチュラルガーデンとは、自然に任せた庭づくりスタイルのこと。
ナチュラルガーデンの魅力は、自然の美しさを楽しめることです。自然の花や木を生かすことで、四季折々の庭の姿が見られるでしょう。
より自然を楽しむためには人工的な構造物を極力避ける工夫も必要。自然そのものが持つ美しさや力強さを感じられるナチュラルガーデンは、心身ともにリフレッシュできる空間になりますよ。
ナチュラルガーデンのレイアウトでは、直線よりも曲線や植物の自然なカーブを使って緩やかに空間を区分けして作るのがポイント。例えば、正方形のコンクリートタイルよりも角が柔らかいレンガや質感が均一な石材を使うと良いでしょう。
庭全体のテイストをはじめに決めておくと庭づくりがスムーズになりますよ。
実際の暮らしをイメージしながら理想の庭に近づけていきましょう。
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イングリッシュガーデンとの違い
英国式庭園のイングリッシュガーデンは、ありのままの自然を大切にしたイギリスが起源の庭づくりスタイル。ナチュラルガーデンと共通する部分が多く、人気のガーデンスタイルのひとつです。
英国の田舎風景を再現し、曲線を描く小道や人工物を使わず自然に溶け込むように設計されています。イングリッシュガーデンに欠かせない花のひとつとして「バラ」がありますが、バラ愛好家にとって憧れのガーデンスタイルとも言えるでしょう。
一方、ナチュラルガーデンは自由度が高く、定義が明確ではありません。自然のテイストを取り入れた構造物やガーデン雑貨などの小物を取り入れるスタイルも人気です。
イギリス発祥のイングリッシュガーデンは、日本の気候や住環境に合わない部分があります。しかし、ナチュラルガーデンとの相性は抜群なので、取り入れたい部分を自宅の庭に採用していくのも良いでしょう。
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モダンガーデンとの違い
モダンとは、現代的なという意味。白や黒、赤や青などの濁りがなくメリハリのある配色を基調としたデザインが魅力です。
現代的なイメージの「モダンガーデン」と自然的な「ナチュラルガーデン」では対照的なガーデンスタイルとも言えるでしょう。
しかし、「ナチュラルモダン」という言葉があるように、モダンな住宅にナチュラルガーデンを生かす方法もあります。モダンの雰囲気に近い濃い色の木目カラーとエクステリア商品を組み合わせるなど、種類は豊富なので住宅に合わせて選んでいきましょう。
庭は何十年と付き合っていくため洋服のように簡単に取り替えられません。「最新のトレンド」などにとらわれ過ぎずに計画を進めていきましょう。
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ナチュラルガーデンのデザインレイアウト例10選
自由なナチュラルガーデンはどんな住宅にも合わせやすいんだね!
住宅の外壁にも奇抜な色を使うことは少ないからね。
自然の色を採用するナチュラルガーデンは、はじめての庭づくりにもおすすめだよ。
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場所や素材別にナチュラルガーデンにおすすめのデザインレイアウト例を紹介します。皆さんの庭づくりの参考になれば嬉しいです。
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①シンプルナチュラル
庭の余白(フリースペース)をつくり植物を植えすぎないシンプルなレイアウト。DIYをしたり、少しずつ花を植える範囲を広げたり、庭づくりを楽しみたい方はシンプルスタイルからはじめるのがおすすめですよ。
また、子供が0才〜小学生低学年くらいまでは広いフリースペースがある方が遊びの幅が広がります。家族のライフスタイルのシミュレーションが難しい場合は、まずはシンプルにレイアウトしていきましょう。
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②構造物は自然との調和を意識
カーポートや擁壁、テラス屋根など、人工的な構造物を設置したい場合には自然との調和を意識していきましょう。
人工的な色に注意し、使用するカラーは3色以下におさえるのがコツ。カーポートやアルミフェンスの色選びに迷ったら自然に近い色味(木目調など)にするか、住宅の窓枠カラーと合わせるとまとまりが良くなります。
まずは暮らしを最優先にすることが大切。
家の配置にもよりますが、駐車場周りは機能性を重視し、主庭(メインガーデン)はナチュラルガーデンにするのもひとつの手です。
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③自然素材の玄関アプローチ
毎日使う玄関アプローチには、少し手間をかけて花や緑を生かすレイアウトはいかがでしょうか。枕木門柱と自然石のピンコロ、花が咲くグランドカバーを使って可愛らしい玄関アプローチに仕上げています。
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④シンボルツリーを生かす
季節感を感じることもナチュラルガーデンを演出するコツのひとつ。敷地に余裕がある場合は、シンボルツリーを主体に庭木を3本以上植えればダイナミックでより自然に近いナチュラルな庭空間を作れます。
株立ちを複数レイアウトする雑木林風も人気がありますよ。
ただし、日陰ができるため菜園やガーデニングをしたい方は注意しましょう。
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⑤ボーダー花壇をレイアウト
ボーダー花壇はありのままの自然を生かすイングリッシュガーデンで使われるアイデアのひとつ。多年草や宿根草など、低木や草花も加える葉姿や草丈が異なる植物を組み合わせて配置します。
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⑥グランドカバーでナチュラルに
グランドカバーのメリットは、広範囲の地面を覆い、雑草を抑制してくれること。緩やかな斜面に植えてやわらかな境界としても活躍します。
また、駐車場や玄関アプローチなど、安全面を重視したいところにはコンクリートで舗装する場合もありますよね。グランドカバーを植えて直線を隠し、ナチュラルな雰囲気に仕上げる効果もあります。
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⑦レンガで曲線をつくる
「レンガの小道(園路)」は、ナチュラルガーデンにはぜひ取り入れて欲しいアイテムのひとつ。小さなサイズのレンガは、どんな庭にも配置しやすいですよ。
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⑧アンティーク雑貨で経年劣化を楽しむ
素敵な庭には手間と時間が必要。というのも正解ですが、アンティーク雑貨やテラコッタ鉢などを配置し、あえて手を入れずに経年劣化を楽しむ方法もあります。
自由度の高いナチュラルガーデンでは、かわいらしいガーデン雑貨を組み入れて楽しめるのも魅力のひとつ。ウッドフェンスや枕木と組み合わせてナチュラルな雑貨を楽しんでみませんか。
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⑨狭い庭に高さを生かしたパーゴラをレイアウト
高さを生かせるパーゴラは狭い庭におすすめのアイテム。
また、スペースが限られている庭に小道やシンボルツリーを配置する時には、歩きやすさや日当たりを意識していきましょう。
狭い庭でかつ道路沿いなど目隠しが必要な場合は、フェンスを設置して壁面緑化をするアイデアも。日当たりに注意しながら理想の庭を計画していきましょう。
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⑩広い庭でも手入れがラクなレイアウト例
100坪以上ある敷地など、広い庭では無理なく手入れができるレイアウトがおすすめ。
植物以外の自然素材を取り入れてメンテナンスの範囲を狭くしたり、芝刈りが簡単になる縁取りにしたり、見た目の雰囲気を壊さないように注意しながらレイアウトしていきましょう。
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ナチュラルガーデンにおすすめのアイテム
ナチュラルガーデンに使えるアイテムは豊富にありますが、全てのアイテムを取り入れる必要はありません。
庭の広さや好みに合わせてお気に入りアイテムを取り入れていきましょう。
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庭木シンボルツリー(低木1m~中高木まで)
庭木(シンボルツリー)は種類によって高さが異なるほか、1年中葉をつける「常緑樹」と冬は葉を落とす「落葉樹」があります。ナチュラルガーデンではどちらを選んでも良いですが、四季を感じる面では落葉樹がおすすめです。
花が咲く開花時期や見頃(紅葉など)をずらして植えれば四季折々の自然を感じられるナチュラルガーデンになるでしょう。
日陰に強い「陰樹」、日当たりが好きな「陽樹」、半日陰を好む「半陽樹」、耐寒性が強いなど特性があり植える場所によっても最適な樹木は異なります。
庭に最適な庭木は、地域のプロに相談して失敗を防いでいきましょう。
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草花
ナチュラルガーデンでは、花や実、葉っぱを楽しめる草花が庭を引き立ててくれます。
園芸品種はとても多く毎年新しい花色を植えて楽しめるのもナチュラルガーデンの魅力のひとつ。一年草や多年草、宿根草、球根、ハーブ類などを組み合わせて毎年植え替えを楽しめるフリースペースを作るのもおすすめですよ。
初心者の方はまずは気になった花を植えてみましょう。草花の種類を知るとガーデニングがどんどん楽しくなっていきますよ。
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草花の種類はいろいろ
- 一年草:ビオラ、ヒマワリ など
- 多年草:ラベンダー など
- 宿根草:シュウメイギク など
- 球根:チューリップ、スイセン など
- ハーブ類:ローズマリー など
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自然素材
自宅にナチュラルガーデンを作るためには自然素材のエクステリアアイテムは欠かせません。玄関アプローチや門柱、園路、駐車場、ウッドデッキなど、暮らしに必要だけれど庭の雰囲気を壊したくない時には自然素材のアイテムを取り入れていきましょう。
ガーデン枕木などの木材、レンガ、自然石などを舗装や目隠しに活用して、生活がしやすいナチュラルガーデンを作っていきましょう。
自然素材の種類
- 石(ピンコロ、御影石 など)
- レンガ
- 木材(枕木、レッドシダー など)
- 化粧砂利(石、レンガチップ)
- グランドカバー(ウッドチップ、クルミチップ)
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アンティーク(ヴィンテージ)雑貨
経年劣化を楽しむナチュラルガーデンには、アンティーク雑貨などのアイテムを取り入れるのもおすすめ。「ブリキと多肉植物」「ウッドフェンスと植物」など、アンティーク調のアイテムは植物との相性も抜群ですよ。
錆の入ったチムニーポットや苔が付いたテラコッタ、ナチュラルガーデニングを演出するジョウロなど好みのアイテムを散りばめてマイガーデンを作っていきましょう。
アンティーク雑貨の例
ブリキと多肉植物、テラコッタ、チムニーポット、ミルクポット、ジョウロ など
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ナチュラルガーデンの実例でおすすめの庭
実際に庭園めぐりをしたり、本や雑誌を見ながらナチュラルガーデンのイメージを膨らませるのもおすすめ。お近くのイングリッシュガーデン庭園や個人住宅の庭で開かれるオープンガーデンを見学してみましょう。
また、ナチュラルガーデンの雑誌を見ながらイメージを掴むと、使用している植物や材料が解説されているため参考になりますよ。
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横浜イングリッシュガーデン
横浜イングリッシュガーデンは、神奈川県横浜市にあるガーデン施設。バラを中心に構成されたガーデンで春から秋まで楽しめるガーデンです。
バラクライングリッシュガーデン
長野県茅野市にある「バラクライングリッシュガーデン」は、自然の山に囲まれた環境につくられたガーデン。1万平方メートルという広大な土地にあり、自然の四季を感じられます。
ナチュラルガーデンの書籍・雑誌
ナチュラルガーデンを紹介している書籍や雑誌は、実例をじっくり見られます。
ガーデンエクステリアだけでなく、住まいや暮らし系の雑誌もデザインをイメージする参考になりますよ。
楽天マガジンなどの雑誌読み放題アプリを利用するのもコスパが良くおすすめです。
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まとめ
ナチュラルガーデンのデザインレイアウトについて紹介しました。
自然を感じられ、自由度の高いナチュラルガーデンは、どんな家にも合わせやすいでしょう。
庭づくりに正解はありません。我が家にぴったりの庭スタイルを見つけていきましょう。
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全体をレイアウトしたプラン計画図や見積書を早い段階で入手するのが失敗を防ぐためのポイントです。下記記事もぜひ参考にしてみて下さい。
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